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本当によく聞かれる

タイって危なくないの?

皆さんやたらとキケンな目にあった事を聞きたがるんだけど、思いあたる事がなくて。

その昔、アゴダやエクスペディアがなかった頃、膨大な部屋数と人気の無さでいつ行っても空室があるため、定宿にしていたスクンビットのMiamiHotelのエレベーターの扉が開くのがすげータイミングはやくて、登りの到着フロアの床が膝の高さ位から開きはじめるのも、エレベーターメーカーの人に聞くとチビるくらい危ないらしいけれど、それも僕的にはピンとこないし。ドアがあいてから地面の高さが合うあの感じは楽しかった。

でも、そーいやあったのだ

と言ってもそーんなに大した事では無いんだけどね。

船の上、どうしてだったか忘れたけれど、釣り竿は持っていなかった。

「うーん…。」

僕がなんとなく考えてもいないのに考えたフリをした。

船には現地で雇ったこの船のオーナーのボートマンと僕ともう一人、僕の友達のT君。

T君も

「うーん…。」

さて、どうしたものか。

ここはブンボラ湖のど真ん中

ブンボラ湖はナコンサワン県にあるタイでいちばん大きな湖である。

船はその湖のど真ん中にプカリと浮かんでいて、時折吹く穏やかな大陸の風に吹かれて流されたり流されなかったり。

湖岸は遥か彼方である。というかどの方向を見ても岸はみえない。

360°すこーんとひらけていて遠〜くにいきなりポコリと高い山がみえる景色は大陸の平地特有の雄大さがあった。

お昼すぎにちょっと湖でも見に行きますか、と掘っ立て小屋が数件並ぶ港(?)を出てしばらくズンドコズンドコと沖に乗り出した僕とT君と現地のボートマン、いい具合に湖岸から離れ、なんなら対岸までいこーぜみたいにノリノリになっていた僕たち。

さっきまで威勢のいいエンジン音とともに蓮の上を滑るように進んでいた。

プスプスとマヌケな音を立ててエンジンが止まったのが小一時間前。

からの

「うーん…。」

である。

ボートマンが

「ガソリン無くなっちゃった」

と白状したのは止まってから20分位、開けたり閉めたりなんやかんや彼がやってからである。

見渡すかぎり、僕達の船以外に湖面に舟は無い。

いうて池やしなぁ…。

と僕は思っていた、

なんていうか、岸は遠い、動力も無い。

だけどね、だけどもだ、

我々に悲壮感は全く無い。

これが海なら絶望しかなかったと思う。

暑いのは暑い。

でも、池なのだ。

いうて池。

漂流してはいる、してはいるんだが。

真水やし、なんならたぶん浅い。

ボートマンが口を割ってから2時間くらいはやんわり吹く風がフワーっと舟を押し、くるりと向きを変える、そうして自動でスクロールする景色に舟は見当たらない、ずっとそんな感じだった。

時に僕達は呑気に水面に上がってくる熱帯の魚を見てはキャッキャと盛り上がる。

素手で捕まえたりもした。

すぐに飽きた

「どうする?」

「まあ、バタ足やわな。」

「せやなあー、ワニとかおるかなー?」

「おっても小さいやろ」

そんな会話をした。

辺りがだんだん薄暗くなってき始める。

ちなみにその時は僕もT君も泳げなかった(その後僕はジムなるものに通い1キロ泳げるようになった、いま泳げるかはしらんけど)のでお互いに「そろそろお前いけや」的な空気になっていたと思う、少なくとも僕はT君に

お前いけや

と思っていた。

そのあいだ、ボートマンは口を半開きにさせて遠くをずっと見回して、舟のようなものが通るのを探していた。こういう見張りは目の良い現地の人に任せたほうが絶対に良い。

しばらくして僕はふいにまわりを見回す。と、湖面に小さな点があった。

漂流メンバーに指差し教えるのだがT君はともかく、ボートマンにも見えていないらしい

視力1.5以下でした、ボートマン。

視力4くらいのスコア叩き出しそうな面構えなのにな。

ともかく

その点がトタトタとユルいエンジン音をたてながら小さなボートに見えるほどの距離に来た。

真水、浅い、いうて池

この要素が悪かった

「おーい」

「おーい」

僕達ふたりはとりあえず呼ぶ的な雰囲気でそのボートを呼んでいた

まだ割と遠くにいるボートに乗っている漁師は手を振りなにやら笑顔である。

「おーい」

「おーい」

お互いの表情がわかるくらいの距離でもそれは変わらなくて、めっちゃワロてた、漁師ワロてた。

そのまま通り過ぎる感じでワロてた。

僕は

あ、これは、通り過ぎるやつや

と。

真水、浅い、いうて池

これがいけない。

「こっちに来てくれ!!!」(タイ語)

マジ声がきこえた、ボートマンだ。

ボートの漁師はそれを聞き

「写真とるの?」(タイ語)

と照れた笑いを浮かべながら船にボートをつける。

ボートマンと漁師はタイ語でなにやらはなし、ガソリンをわけてくれた。

お礼にと、1000バーツ札を漁師に渡そうとしたが頑なに受け取らなかった。

サンキュー(英語)漁師!

すっかり辺りが暗くなった頃に出発した港に着き僕達はバンコク行きの列車に向った。

こんなもんである。

ちなみにタイ語で

「写真とるの?」は「ピクチャピクチャ?」であーる。

タイではいつ飲んでも美味いコーラがひどく美味かった、その日の屋台飯も美味かったと思う。

タイで危なかったことってこんなもんです、はい。

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オポッサムの澤本
ビカクシダ屋さん

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